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読売新聞掲載(模擬裁判の取り組み)

2022/03/01

2022年2月10日朝刊記事「18歳の1票」にて、本校の模擬裁判への取り組みが紹介されました。(許諾を得て掲載しています。)

[18歳の1票]
今月のテーマ「18歳から裁判員」(2)
高校で実践的取り組み

◎新聞@スクール
 ◇今から備える
 ◆主張組み立て模擬裁判 重責自覚 
 来年からは今の高校2年生も裁判員の対象となる。高校では4月からの新科目「公共」で裁判員制度についても学習する。学校現場は教科書の内容にとどまらず、裁判員に選ばれた場合を想定した実践的な取り組みに知恵を絞り、備える必要がある。
 中央大学杉並高校(東京都杉並区)は2017年から、課外活動で模擬裁判に意欲的に取り組んでいる。昨年8月にオンラインで行われた「第14回高校生模擬裁判選手権」(日本弁護士連合会主催)には、東京の代表校として出場した。
 選手権は、市職員が下水道管工事の工法決定や施工に絡み賄賂を収受したとして起訴されたという設定で、各校のチームは検察側、弁護側両方の立場から収賄罪にあたるか否かを論戦した。
 出場を前に、同校の生徒たちはあらかじめ配布された起訴状や供述調書などを読み、わかったことや考えたことを付箋に次々と書き出した。同校が授業などでも活用している「付箋で探究マップ」と呼ばれる整理法や、ホワイトボードに付箋を貼って事実をまとめて可視化し、検察側、弁護側の主張を組み立てて臨んだ。
 指導を担当した国語科の小泉尚子教諭は模擬裁判の意義を「生徒が想像力を働かせ、一人の人(被告)と真正面から向き合い、経験したこともない生き方を知ること」だという。その結果、生徒は「人の言葉だけでなく、事実や証拠に粘り強く目を向け、生活の全てを裁判につなげて考えるようになった」と成長を語る。
 模擬裁判に興味を持ち、同校に入学したという2年、小関優実さん(17)は検事や弁護士と知り合い、刑事裁判の傍聴もするようになった。ただし、知れば知るほど、「今までは人ごとだったが、裁判員になったら、自分の意見で量刑を決めることになる」と、責任の重さを感じていると打ち明ける。
 日弁連市民のための法教育委員会委員長の村松剛弁護士は「高校生模擬裁判選手権はこうした不安の緩和にも役立っている」と語り、大人が気づかないような視点を示す高校生もいることに驚かされるという。
 裁判員裁判は世代や職業が異なる多様な人たちが担っている。村松弁護士は「普段一緒になることがない様々な人と真剣に議論して判決内容を決める経験は、今後の人生に非常に意義がある」と前向きに捉えるように求めている。
 
 ◆授業受けた経験「なし」半数超 
 一般社団法人「裁判員ネット」が2017年4〜5月に18〜25歳に実施した調査(回答者1060人)で、高校で裁判員裁判に関する授業を受けたことがあるか聞いたところ、「いいえ」(59%)が「はい」(41%)を上回った。「はい」の回答者が習った科目は「現代社会」「政治・経済」の順だった。
 最高裁が2020年度に実施した調査では、裁判員制度について「何から知りましたか」の問い(複数回答可)に対し、20歳代は「テレビ報道」に次いで、「学校教育(法教育)」が多かった。
 
 〈Check!〉
 ・裁判員制度は高校でどのように教えられているか。
 ・高校生に裁判員制度が十分に浸透していないのはなぜか。
 
 ◎ご意見は 〒100・8055読売新聞東京本社教育部 (ファクス 03・3217・9908、メール kyouiku@yomiuri.com) へ。
 
 図=高校で裁判員裁判についての授業を受けたか
 
 写真=ホワイトボードに付箋を貼り、検察側と弁護側の主張を整理し、組み立てる中央大杉並高校の生徒たち(同校提供)

「讀賣新聞」2022.02.10 東京朝刊 / 教育B / 10頁

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